綸言如汗(りんげんあせのごとし)
「綸言、汗の如し(礼記)」とは、天子や上に立つのもの言葉は、汗がいったん外に出たら戻ることがないように、取り消すことができない重いものだという意味です。
諸葛孔明が魏軍と対峙したとき。長期戦を覚悟した孔明は、兵士を休ませるため、兵力の五分の一を交代で帰国させた。が、小競り合いが始まると、側近の武将たちは、次の交代要員は留めておくよう、進言した。孔明は「いったん約束したことは必ず守らねばならぬ」と言って、予定通り、交代要員を帰国させるよう命じた。
これを伝え聞いた兵士たちは感激し、帰国を返上して戦いに赴き、散々に敵を打ち破ったという。
「中国名参謀の心得」守屋洋著(ダイヤモンド社)所載
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