創業資金
百年ほど前のこと。常磐商会という会社は、世界有数の保険会社の東洋総代店で、国内シェアは60%。それを基盤に輸出入業務に進出していた。そこに社長の遠縁にあたる山下という社員がいた。ある年、会社に莫大な利益をもたらし、社長賞を貰うことになった。山下はかねがね日本の顕微鏡が外国製品に遠く及ばないことを知って、日本医学発展のために外国製品に劣らない国産顕微鏡をつくりたいと思っていた。そこで、大胆にも社長賞に創業資金を所望した。
独立も了承された。山下も大物なら、社長も大物です。1919年、高千穂製作所が設立された。今のオリンパスです。
村橋勝子著「カイシャ意外史」日本経済新聞出版社。
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